3月, 2012年

「脳卒中後嚥下障害に対する磁気刺激治療を開始しています」

2012-03-15

「脳卒中後嚥下障害に対する磁気刺激治療」
治療としてのリハビリテーション(以下リハ)を信条とする慈恵医大リハ科として、脳卒中後嚥下障害者に 対し経頭蓋磁気刺激(TMS)と短期入院での集中リハの併用療法を始めることとします。TMS治療(経頭蓋磁気刺激治療)とはコイルを用いて頭の外側から 大脳を磁気刺激する治療法で、痛みなく脳の回復力を最大限に引き出す方法として注目されています。

<嚥下磁気刺激治療の倫理委員会による承認と適応基準>
TMS治療は慈恵医大倫理委員会によって承認された臨床研究として行なうこととなります。当科における脳卒中後上肢麻痺における治療成績からその安全性は高いものと判断されています。

【適応基準】
(1)頭蓋内に金属(クリップなど)が入っていない、心臓ペースメーカーが入っていない。
(2)少なくとも一年間はけいれんの既往がない(脳波検査に異常がない)。
(3)気管切開していない、吸引の必要なく呼吸状態も良好である。
(4)脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)を原因として嚥下障害を呈している。
(5)透析をしていない。
(6)うつ病などの精神疾患がない。
(7)全身状態が良好である(意識障害、発熱、重度心疾患など大きな合併症がない)。
(8)認知機能に大きな問題がない。
(9)年齢が20歳以上、80歳未満である。
(10)リハに対する意欲がある。
(11)この3ヶ月、肺炎の既往がない
(12)2時間以上座っていられ、日常生活に重度の介助を要さない。
・嚥下障害の程度:絶えず唾液を誤嚥しているような重度な嚥下障害者は除く。また、常食を経口摂取可能な軽度の嚥下障害者は除く。
・これら以外に、医師が「TMS治療が不適切」と判断した場合には、TMS施行を見合わせることもあります。

<TMS治療を希望される方へ>
上記の適応基準をすべて満たしており、治療を希望される方は、以下の手順をふんでいただくこととなります。
①東京慈恵会医科大学附属第三病院(東京都狛江市和泉本町)リハ科外来に電話(03-3480-1151 内線3345)をし、百崎良(ももさきりょう)の外来予約をとり、現在のかかりつけ医(主治医)の紹介状を必ず持参の上、受診してください。
※初診受付は8:00~11:00頃までです。
②外来診察の結果、TMS治療の適応があると判断された場合、
入 院予定リストに登録されることになります。なお、場合により痙攣の危険性を確認するための脳波検査や嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査の予約をしていただく場 合があり、その結果によってはTMS治療の適応がないと判断される場合もあります。(脳波検査、嚥下造影検査は診察日当日には行えません。)
③入院日が決定しだい、後日電話をいたします。
④磁気刺激についての医療費は生じませんが、入院治療を行うにあたり、部屋代、食事代、リハ代はご負担いただきます。

* 嚥下障害に対するTMSの施行は、現時点では研究段階にあると考えられてます。なかにはあまり効果のない方もいらっしゃいます。また、入院中に「評価のた めの検査を受けていただく場合」、「治療効果の検討のために、いくつかの刺激方法(効果のすくないような刺激を含め)を試させていただく場合」があります ので、ご了承いただきたく思います。

「脳卒中マヒが改善する! 腕と指のリハビリ・ハンドブック」

2012-03-01

「脳卒中マヒが改善する! 腕と指のリハビリ・ハンドブック」が、監修/安保雅博 で平成23年9月5日に発売されました。

……私はリハ ビリテーションの意義は、現状維持のケアではなくて、少しでもよくすることだと考えています。臨床の現場では、発症から6ヵ月を過ぎた以降は、維持期とい われていますが、これはもうよくはならないという夢も希望もない言葉です。現在では、脳画像の進歩や集中訓練や磁気刺激療法などの普及もあり、「180日 過ぎるとよくならない」という定説が変わりつつあり、上肢の機能改善が世界的に注目され始めました。この本では、東京慈恵会医科大学で強力に推し進めてい る上肢リハビリテーションを、さらに自宅で毎日取り組めるようにプログラムされたものを紹介しています。(はじめにより)

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