高次脳機能障害専門外来のご案内
高次脳機能障害とは
脳が行っている言語、記憶、思考、空間認知などの知的認知機能を高次脳機能と言います。たとえば、朝食の内容が思い出せなくなった(記憶障害)、仕事に集中できなくなった(注意障害)、料理をしながら、その合間に洗濯機を操作することが困難になった(注意障害)、計画がたてられなくなった(遂行機能障害)、言葉が上手に話せなくなった(運動性失語症)、人の話が理解できなくなった(感覚性失語症)、字が読めなくなった(失読症)、お茶の入れ方がわからなくなった(失行症)、計算が苦手になった(失算、注意障害)、妻を見てもわからなくなった(視覚失認)、道に迷うようになった(地誌的失認)、左側にあるおかずに目がとまらず残してしまう(左半側空間無視)、洋服の着方がわからなくなった(着衣失行)などの症状で、このほかにもたくさんの症状があります(図1)。
こうした症状が、 脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や頭部外傷、低酸素脳症、脳腫瘍などの後天的な脳の疾患によって、生じた場合に、厚生労働省は、「高次脳機能障害」と定義しました。生まれつきの疾患や精神疾患、進行性の疾患(アルツハイマー型認知症など)で、脳に障害が及ぶときも以上の症状はみられることがありますが、「高次脳機能障害」という用語を行政用語として、狭い意味で使う場合は、後天性疾患によって生じた場合のみを指します。
図1 右脳と左脳の各障害で生じる主な高次脳機能障害
高次脳機能障害 専門外来での主な相談内容(図2)
高次脳機能障害の専門外来を訪れる方々の主な相談内容を図2にまとめました。診断を行うためには、頭部CTやMRIなでの画像検査や知能検査などの神経心理学的検査を補助検査として施行します。
てんかん発作などの医学的管理が必要であれば、生活のご指導や服薬の調整を行います。また、リハビリテーションの方法や就学・就労支援等、必要があれば行います。
図2
高次脳機能障害 専門外来のご案内
病院名:東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科
外来日:火曜日、水曜日、金曜日の朝9時から15時(要予約)
外来はすべて予約制ですが、初めて受診される方は、
かかりつけ医の先生のご紹介をいただき、医療連携室経由で予約してください。