研究について
東京慈恵会医科大学附属病院 副院長
リハビリテーション科
主任教授 診療部長
安保 雅博
講座が思うリハビリテーション医療研究
当講座は、明日のリハビリテーション医療を見据えた研究を進めております。
患者の診療を通して得る臨床疑問を大切にし、生理学や解剖学といった基礎医学を軸に病態ごとに行うリハビリテーション医療に関する太い強固な柱を作ることを目指しています。
日々医局員が力を合わせて、“病気を診ずして病人を診よ”という高木兼寛の精神をもとに意見交換を行っております。
2021年度からは4つの研究班を立ち上げ、若手がベテランを押し上げる勢いで班を運営、活動を進めております。
リハビリテーション医学にかかわる研究は、幅広いものがあります。たとえば、病気を発症した患者さん対象であれば、研究の対象期間は、急性期、回復期、生活期におよびます。また、予防医学の面から考えればさらに守備範囲は広いものになります。なので、東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座の研究は、臨床研究を中心とした「生理学の延長として考えられるもの」で、患者さんなどの対象者のQOLやADLの向上が結果としてつながっていくものならば基礎研究も積極的に行っているのが現状です。
リハビリテーション医学のEBMは残念ながら、ほかの内科や外科と同じように19専門領域でありますが、少ない状況です。なので、教室員あげて、それではEBMを我々が作りましょうという気概のもの研究を進めています。2019年4月現在に研究を行っている項目を列挙します。
① 急性期リハビリテーション治療に関する研究
② 回復期リハビリテーション治療に関する研究
③ 生活期リハビリテーション治療に関する研究
④ 有用な地域連携に基づくリハビリテーション治療システムの研究
⑤ 脳卒中パスに関する研究
⑥ 脳損傷モデルラットの麻痺回復と免疫組織学的変化
⑦ 脳血管障害による後遺症に対する治療
⑧ 予後予測に関する研究
⑨ rTMS、ボツリヌス療法の臨床効果の研究
⑩ 失語症の回復とfMRI による可塑性の研究
⑪ 癌に対するリハビリテーション治療
⑫ リンパ浮腫のリハビリテーション治療
⑬ 高次脳機能障害の包括的リハビリテーション治療
⑭ 嚥下障害の包括的リハビリテーション治療
⑮ 脳機能画像評価とリハビリテーション治療
⑯ 各種動作解析
⑰ 小児の運動発達評価に関する研究
⑱ 再生医療とリハビリテーション治療
⑲ 運動療法の影響に関する研究
⑳ 自動車運転に関する研究